MRラウンジチェアのレンダリング

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まさにバウハウスそのものともいえる機能美

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ミース・ファン・デル・ローエのキャンティレバーチェアは優美な曲線が印象的です.このような構造のチェアを見ていると,まさにバウハウスの思想がそのまま形になっているかのように感じます.無駄を省き,徹底的にマイナスしていくことで,そのシルエットや素材といったものの良さが際立ってくるのだと思います.キャンティレバーというのは片持ちという意味で,文字通り,脚が片方にしかないです.

最初のキャンティレバーチェアはマルト・スタムという人が考案したもので,これはパイプをジョイントで繋いだ,曲げ加工がないもの.ドイツではキャンティレバー構造の発案者はこのマルト・スタムとされているそうです.パイプの曲げ加工は当時難しい技術だったようですが,これが実現したことにより,マルセル・ブロイヤーとミース・ファンデル・ローエをはじめとするキャンティレバーチェアの数々が誕生したのだと思います.

ミースの曲線キャンティレバーに対し,マルセルのそれはパイプを90度に曲げた直線的なデザインになっています.ミースもブルーノチェアのデザインルーツとなったキャンティレバーチェアでは直線的なものがあり,それは強度の問題から市場から姿を消したもので,実際にモデリングしたのがこちら.

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確かに横方向に対して強度が不足してそうなのと,座面がネジだけで固定されているという,横軸のパイプさえも排除し,危うさを持ちつつ,ここまでやるかと思わせるチェア.これが後のブルーノチェアに発展していったそうです.

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山型のクッションは体を点で支えることで,背ずれを抑える効果あり.

人が気にかけないところに目を向ける重要さ

私がこういった家具をモデリングしていく際(家具だけじゃないですが),単にモデルを作成するだけではなく,デザイナーの思想や,なぜそのような構造なのか,そのデザインの時代背景といった資料も読みながら進めていってます.本当にモデリングとは直接関係のない本を図書館に探しにいくこともあります.建築家やデザイナーの思考に少しでも触れることによって得られる知識の蓄積が,楽しいのです.

モデリングに役にたつという点では,クッションの中身の素材とかどうなっているのかとか,縫い目はどうなっているのかとか,モデリングしない部分でも,そういったことに気を向けることでポリゴンの流れであるとか,皺ひとつの描き方に影響してくることは多々あるでしょうね.

神は細部に宿る

ってね.

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次はベッド関連のモデリングをしていきたいと思います.

ファンズワース邸の本番レンダリングはいつになるのでしょう...